2007年7月20日金曜日

温暖化はたいしたことがない??

 先日あるTV番組で、「生物をやっている」と名乗るどこかの大学教授が、「温暖化なんてたいしたことない」の述べていた。氏曰く、地球の歴史上、生物の大量絶滅は寒冷化の時に起こっており、温暖化で大量絶滅した歴史は無い、だそうだ。さらに、南極の氷が溶けても海面上昇はない。いつアルキメデスの原理が否定されたんだ? とも述べていた。この教授、ほんとうに研究者なんだろうか。

 たしかに温暖化で大量絶滅は無いだろう。ただし、実際は影響は極めて大きい。確かに日本のような温帯地域では、生態的影響はたいしたこと無いかもしれない。が、寒冷地や高山の植物は、暑さに耐えられず多数絶滅するだろう。熱帯地域では砂漠化が進んで森林面積が減少する。一部爬虫類などの卵では、温度によってオスかメスかが決定するものもあるので、このようなものは絶滅するだろう。

 ヒトにおいては、アフリカなどで干ばつがすすみ死者が増えるのは目に見えているし、温暖地域であるはずのヨーロッパでも、猛暑により何万人も死んでいる。もとは熱帯病であるはずのマラリアなどが温帯地域に拡大するという懸念もある。単純に気温が40度を超えたりすると暑くてたまらないし、経済的にも冷房代がかさむ。

 なんで南極の氷が溶けるのにアルキメデスの原理がでてくるんだ? まさか南極は大陸であるということを彼は知らないのか? 温暖化が進むと霜で逆に氷が増えるなどと主張する人もいたが、そりゃ、あくまで零下での話で、4℃以上が続くようになると霜であろうが氷河であろうが溶けるのが当たり前だ。彼はそうなってから「こんなに上がるのは想定外だった」とでも言い訳するのだろう。

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