2007年6月24日日曜日

遺伝子組み換え植物の愚痴

 日本では(世界でも?)、遺伝子組み換え植物はよく思われていないようだが、まったく困った話だ。遺伝子というのは、DNAという単なる「物質」で、ハエやバイ菌の遺伝子を食品に組み込んだからと言って、衛生上問題などあるはずもないし、気持ち悪いなどというのは単なる先入観に過ぎない。「ハエの遺伝子をダイズに組み込む」とは、実際は「ハエの遺伝子の一部のDNAの並び方をダイズのDNAで再現する」だけの話だ。しかも人間がそれを食べても、胃の中で消化されてDNAの並び方など全く関係がなくなる。気持ち悪いとか言う人は、マッシュルームが馬糞上で栽培されるとか、納豆菌は足の裏の臭いの原因菌(バチルス)で作るという事実をどう思っているんだろうか。私ならそっちの方がよっぽど気持ち悪い。

 遺伝子組み換えは人間だけが行う「神の領域を超えた特殊な技術」だと思っている人が多いようだが、その勘違いが原因なのかもしれない。実際は遺伝子組み換えというのは、細菌では当たり前のように行われているし、ヒトを含め高等生物でも減数分裂の際に組み換えが行われているわけで、なにも特殊な技術ではない。

 「花粉が飛んで他の植物と交配してしまう」という人も多いが、日本にはトウモロコシやダイズはもちろん、ほとんど全ての作物は自生していないので、交配のしようがない(日本に自生する作物は、ゴボウ、ミツバ、フキ、ヤマノイモなど数えるほど)。全然違う種類と交配するという人もいるようだが、そんなことはあり得ない。

 低農薬栽培可能になったトウモロコシやダイズ、栄養価を高めた作物などは、健康にとってプラスにはなってもマイナスになるとは考えにくい。反対派の人は、よく口癖のように「今の科学では遺伝子組み換え作物はまだ安全性が確認出来ない」というが、いったい何を根拠に言っているんだろうか、理解に苦しむ。私なら、「遺伝子組み換え作物使用」という表示があれば、好んでそちらを選ぶ。遺伝子組み換えによって肥料や農薬が少なくて済み、収量も上がれば、食料不足の解消にもつながり餓死者も減るはずだ。

0 件のコメント: